家のなかはリラックスできる場所であるべきだと、わたしは常々思っていました。だからこそ、周囲の目が気にならないよう目隠しの工夫は必須です。
また、わたしは日当たりには非常にこだわっています。人間という生き物は、朝は日光を浴びないと、真の意味で目が覚めないと思うからです。
そんなわけで、わたしは窓ガラスにこだわっています。カーテンで目隠ししてしまえば、昼間の日の光が遮られてしまいますし、ただのふつうの窓ガラスであれば、外から丸見えになってしまい、リラックスできないからです。
曇りガラスは、わたしの望みをかなえてくれました。わたしの家は隣家や目の前の道から家の中が丸見えになる場所がいくつかありますが、この曇りガラスのおかげでプライバシーが守られているというわけです。
従来の曇りガラスの代表といえば、いわゆる「磨りガラス」でしょう。ガラスの表面に微細な凹凸をつけることによって、日光を遮ることなく、視界だけが遮られるという便利なガラスです。しかしこの磨りガラス、実は欠点もありました。それは、汚れが付きやすいということです。たとえば手で触れることで、簡単に汚れが付着します。雨風にさらされる外に面した部分は言わずもがなということでしょう。平らな窓ガラスに比べ、雨によって自然に汚れが流れ落ちるということがあまりないことが、どうしても影響してしまうようなのです。
しかし近年、同じ曇りガラスでありながら、汚れにも強いという新商品が開発されました。それがフロストガラスと呼ばれるものです。これは吹き付けなどの特殊加工によって磨りガラスと同じような機能を持たせながら、汚れにくいという特性も持ち合わせたすぐれものなのでした。
こうしてわたしの家のガラス窓は、大半がフロストガラスになりました。フロストガラスにはデザインガラスの特性もありますから、室内空間がモダンな雰囲気になるという、とてもうれしい誤算もありました。